「Autarkeia」に込めた想い
2026 Hiver Collectionのテーマは「Autarkeia(アウタルケイア)」。
古代ギリシャ哲学における「自足」や「自己充足」を表す概念です。
誰かの評価や周囲の価値観にとらわれず、自分自身の感覚を大切にすること。
その想いを、一着一着に込めました。
クリエイティブディレクター COCCOが描いた「Autarkeia」の世界観と、ディレクター AYAが考える「服を纏う楽しさ」。二人の視点を通して、2026 Hiver Collectionに込めた想いや、その背景をご紹介します。
自分自身を満たすということ
「Autarkeia」が意味する、自足や自己充足。
それは、何かを諦めたり、現状にとどまったりすることではありません。自分にとって本当に大切なものを知り、誰かの基準ではなく、自分の意思で選んでいくこと。
その感覚は、日々の暮らしの中にも、服を選ぶという小さな行為にも通じています。周囲の基準に合わせるのではなく、自分が心地よいと思えるものを選ぶ。aLORSが大切にしているのは、そんな自分自身の感覚に素直であることです。
日常に寄り添う服であるために
今回のコレクションで大切にしたのは、上質な素材や丁寧な仕立てを、特別な日のためだけではなく、日々の装いに取り入れることです。
例えば、Manteau ÉGIDEには希少性の高い最高級スパニッシュメリノムートンを、Veste DENSITÉには尾州のメーカーとともに開発したオリジナルのウール生地を採用するなど、素材選びにも妥協はありません。
どちらも、デザインは気負わず羽織れるショート丈に。ロング丈に比べて着こなしの幅が広く、デニムなどのカジュアルなアイテムから、上質なパンツを合わせた装いまで、さまざまなスタイリングに馴染みます。また、着用できる季節の幅が広いことも、ショート丈ならではの魅力です。
上質なものだからこそ、特別な日に限らず、日常の中でたくさん楽しんでほしい。そんな想いを、素材の選択からデザインに至るまで、一着一着に反映しています。
それぞれの服に込めた、Autarkeiaのかたち
Autarkeiaの考え方を、6つのアイテムそれぞれのデザインやディテールにも反映しています。
身体をあたたかく包み込むリバーシブルムートンコート「Manteau ÉGIDE」。その名は、古代ギリシャ神話に登場する盾に由来し、「庇護」や「保護」を意味します。内側と外側、どちらも表として楽しめるリバーシブルの構造には、自分の内面と外面を分けることなく、どちらも自分自身として受け入れるという想いを込めました。
ジャケット「Veste DENSITÉ」は、ウールの色合いをはじめ、素材の凹凸や縁に施したコードの装飾、レザーボタンなど、さまざまな要素が重なり合うことで生まれる豊かさを表現した一着。「密度」を意味するその名には、外側から何かを足すのではなく、自分の内側にすでにある充実こそが、本当の豊かさにつながるという考えを込めています。
「Chemisier NOYAU」は、果実の核や種を意味する名前。白いブラウスに繰り返し描かれたBotehのモチーフを、生命の源となる核に重ねています。同色で表現された柄は、光や身体の動きによって静かに浮かび上がるもの。自分を形づくる大切なものは、他者に示すためではなく、自分の内側に確かに存在している。その想いを映し出しています。
ウエストラインが印象的な「Pantalon GRAVITÉ」。身体の中心を視覚的に引き寄せるウエストデザインや、丸みを帯びた立体的なシルエットを通して、他者の視線に左右されることなく、自分自身の軸で立つ姿を描いています。
カフスブラウス「Chemise MAÎTRISE」には、自分の内側にある力を、自らの意志で扱うという意味が込められています。カフスにあしらった馬とライオンは、それぞれ生命力や意志、勇気や尊厳の象徴。異なる二つの力を持ちながらも、それに振り回されることなく、自分の意志で統御する。その考えを、日々の動作に寄り添うカフスに託しました。
そして型押しベルト「Ceinture REPÈRE」。その名は「目印」や「基準点」を意味します。身体の輪郭を形づくるベルトを、自分自身の判断の基準を持つことに重ねました。他者の評価を基準にするのではなく、自分の中に確かな基準を持つこと。Autarkeiaの核となる考えを、一本のベルトに表現しています。
そして最後に、ディレクター AYAから、「服を纏う楽しさ」について。日々の装いに向き合う中で大切にしていることを、本人の言葉でお届けします。

